2017-02-10から1日間の記事一覧

リスペクト・ブックス

『月とマザーグース』松川洋子(2012年、本阿弥書店) 今年めでたく卒寿を迎えた松川洋子の第六歌集。人生の先達に相応しい味わい深い作品のなかに、キャリアを感じさせないお茶目な歌がはさまれていて、びっくりします。老いてなお溢れる彼女の瑞々しい…

「歌のある生活」22「音楽」の歌その9

前回の続きです。塚本の歌をもう一首とりあげましょう。 春雪にこごえし鳥らこゑあはす逝ける皇女のためのパヴァーヌ 塚本邦雄『水葬物語』 フランスの作曲家ラヴェルの小品が詠われています。下句の「逝ける皇女のためのパヴァーヌ」です。ただし、邦題は「…