2018-11-03から1日間の記事一覧

穂村弘『水中翼船炎上中』を読む1

前回までの議論を、とりあえずまとめる。 穂村弘の作品には、現代的な素材で抒情させようという作品が一定数あり、読者は、その作品でうまく抒情できれば「わかる」し、抒情できなければ「わかならい」ということになるのではないか、いうことであった。 こ…

「歌のある生活」32「わからない」歌2

穂村弘の初期の代表的な作品から「わからない」とされる歌を見ていこう。第1歌集『シンジケート』より、この作品。 ハーブティーにハーブ煮えつつ春の夜の嘘つきはどらえもんのはじまり 「嘘つきはどらえもんのはじまり」で、はあ?となるが、そこは後で議…

「歌のある生活」31「わからない」歌1

私たちは、しばしば「わからない」歌に出会う。そんな「わからない」歌を「わかる」歌にしよう、そして、できるなら「いい歌だな」と思ってもらえるようにしよう、というのが、ここからしばらくの話題である。 ここで取り上げていく「わからない」歌というの…