2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

口語短歌とは何か④

4 口語短歌と〈私〉 前回までで、明治期の口語短歌のはじまりから、昭和の初期までやっとたどり着いたのだけど、せっかく言文一致運動や自然主義文学にふれたのだから、もう少し、口語短歌の当時の革新性について述べたいと思う。 すなわち、口語短歌という…

口語短歌とは何か③

3 明治期の口語短歌 ・明治期の口語短歌 これから、明治期の口語短歌作品を取り上げていこうと思うけど、その前に、これまでの議論を振り返っておこう。 これまでは、もっぱら「口語」とは何か、ということを議論した。 そして、結論として「口語」というの…

口語短歌とは何か②

2 口語のはじまり ・口語も文語も書き言葉 ここまでの議論をおさらいしておこう。 この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」 俵万智『サラダ記念日』 この作品は、口語短歌か、文語短歌か。というと、どちらでもなくて、口語と文語…

口語短歌とは何か①

1 口語とは何か 口語短歌とは、何か。例えば、次の作品は、何なのか。 この曲と決めて海岸沿いの道とばす君なり「ホテルカリフォルニア」 俵万智『サラダ記念日』 空の青海のあおさのその間(あわい)サーフボードの君を見つめる 砂浜のランチついに手つか…

短歌時評2023.3

角川「短歌」の令和5年版「短歌年鑑」と短歌研究社の「短歌研究」12月号「短歌研究年鑑2022」を読む。 2022年の回顧的記事では、「短歌ブーム」の話題が多かった。 なんでも、今は「短歌ブーム」なのだという。テレビでも取り上げられ、書店では…