2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

わからない歌①

(2019年初出の、歌誌の連載原稿を転載) 「わからない」歌をわかるようにしたい、そして、願わくば「いい」歌と読めるようにしたい、というのが、ここのところの話題であった。 今回は、永井祐の作品を取り上げる。 あの青い電車にもしもぶつかればはね…

わからない歌、わかる歌

現代の短歌には、一読「わからない」、という歌がある。 ただし、この「わからない」は、表現や言葉が難しくてわからない、というのではなく、表現は平易で言葉の連なりも正しいけれど、「え、この歌の何がいいの?」というような、いわば、「作品の良さがわ…

<内容>についてのまとめ

ここまで、このBlogでだらだらとお喋りしてきた議論のまとめの作業をしているが、今回は、<内容>についてまとめたい。 ただ、<内容>については、本Blogではたいした議論をしていないので、すぐに終わる。 短歌の世界では、どういう<内容>であれば、良…

<文体>についてのまとめ③

<文体>について議論している。 繰り返しになるが、短歌の<文体>について、大きな分類としては、次の3つだ。すなわち、 ・「近代短歌」の「私=作者」である<文体> ・「前衛短歌」からはじまる、「私=主体」である<文体> ・穂村の作品のような「語…