2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

口語短歌の最前線①

(過去に、歌誌に載せた記事の転載です) 昨年(二〇二〇年)永井祐の第二歌集が出た。読むと、これまで短歌の世界にはなかった新たな表現技法が使用されているのが分かる。こうした表現技法が、今後のスタンダードになるのか、ただの実験で終わるのかはまだ…

現代短歌の「異化」について~まとめ

ここまでの議論をまとめよう。 短歌の世界で「異化」の手法として分かりやすいのは、日常にあるコトやモノを別いいかたで表現してみる、という手法である。いうなれば比喩表現のバリエーションなんだけど、そうやって別のいいかたで表現することで、日常の見…

現代口語短歌の「異化」の手法④

前回までは、「異化」作用の手法として、「語順の入れ替え」と「強引な接続」による手法をあげた。 今回は、3つ目として、「流れる認識」による状況の「異化」とでも呼べるものをあげる。 いつも永井祐ばかり掲出しているから、今回は、仲田有里『マヨネー…

現代口語短歌の「異化」の手法③

前回は、「異化」作用の手法として「語順の入れ替え」による手法をあげた。 今回は、2つ目として、「強引な接続」とでも呼べるものをあげる。 掲出歌は、やはり永井祐『広い世界と2や8や7』から。 君の好きな堺雅人が 電子レンジ開けては閉める今日と毎…