2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌の「調べ」について①

今週より話題を変える。 「調べ」の謎について考えたい。 「調べ」とは何か、なかでも短歌の「リズム」とは何かについてしばらく、おしゃべりする。 まずは「調べ」とは何かについて考えてみよう。短歌には「調べがいい」歌と「調べが悪い」歌がある。「調べ…

歌会についての雑感その④

歌会の話題も4回目である。 前回、私が提出した主張は、こうである。 歌会での読みは、鑑賞よりも批評のほうがいいし、その批評も、印象批評より、形式主義的な批評のほうがいい。 ということだった。 どうして、そう主張するのかについては、前回の文章に…

歌会についての雑感その③

歌会の話題の3回目。 今回の話題は、歌会に限ったことではないけれど、作品と作者の距離をいかにとるかという話。 これは短歌の世界では実に難しい。 例えば、誰でも知ってる石川啄木の歌に「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る」が…

歌会についての雑感その②

歌会についての雑感の2回目。 互選の話題から 歌会によっては、互選をしたりしなかったりするが、これは、メンバーで決めればいい。私は、互選は一長一短があるので、どっちでもいいと思う。 互選のあったほうが、ゲーム性が高まるし、必然的に詠草に序列を…

歌会についての雑感その①

「歌壇」11月号(2019年)の高野公彦の文章に、その昔、コスモスの東京歌会で、宮柊二が提出した歌を若い女性が酷評して、あとで作者名が判った時、女性はショックのあまり泣き出した、というエピソードが載っていた。 このエピソード、短歌の世界ではわ…