2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小池光「短歌を考える」を考える⑥

前回からの続き。 E4句増音 増音の最後は、4句である。これが、もっとも許容される「破調」であるという。 それは、「下句の七七が、たたみかけ、加速度感を持つ傾向にあるため、一層自然に四句の増音が可能になっている」からだという。 つまり、もともと…

小池光「短歌を考える」を考える⑤

破調の話の2回目である。 小池光「リズム考」(「短歌人」1979.7~1980.12)より。 C結句増音 小池光が、初句増音、3句増音に続いて重要とする破調は結句である。 結句7音節は、4拍子説で言えば、8音までであれば、44型、35型、53型…

小池光「短歌を考える」を考える④

小池の「リズム」考では、「破調」についてユニークな論述がある。 今回からは、これを検討することにしよう。 小池は破調を10に分ける。(「リズム考」(「短歌人」1979.7~1980.12)または、「短歌を考える」(「短歌研究」2007.4~…

小池光「短歌を考える」を考える③

前回の小池説の検証である。 短歌の下句は、どのような並びが「調べ」がいいかという問題であった。 小池説によれば、3443型が良い、ということである。 では、例によって、いつもの茂吉の歌をだしてみよう。 最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとな…